2024年9月30日発売の週刊少年ジャンプ44号掲載の呪術廻戦最終回271話の内容をネタバレありで徹底解説します。
- 呪詛師の正体とは?
- 五条悟復活説の行方は?
- 羂索の性別は?
- 宿儺の改心、最後の指の処理方法とは?
- 呪いは巡るループ説の行方は?
メインキャラ全員の集合絵と虎杖悠仁達の任務開始
呪術廻戦第271話の冒頭は、センターカラーで描かれたメインキャラクター全員の集合絵が印象的です。
集合絵には、これまでに死亡した真依、メカ丸こと与幸吉、五条悟も含まれています。
さらに、三輪霞が与幸吉と戯れたり(恋人つなぎ)、乙骨憂太と肩を組む真希の姿も描かれ、彼らの関係性が暖かく描かれています。
絵の上部では、灰原と鹿紫雲も見切れる形で登場しており、各キャラクターの配置には深い意味が込められているようです。
物語は、虎杖悠仁たちが新たな任務として福沢の顔異変事件に挑むところから始まります。
福沢の顔が突如として変わるという異常事態に対応するため、釘崎野薔薇、伏黒恵、虎杖悠仁が調査を開始します。
福沢の彼女に対する釘崎野薔薇のボディチェック
まず、釘崎野薔薇が福沢の彼女に対してボディチェックを行い、術式の影響や異常を調べますが、彼女の体には何の変化も見つかりませんでした。
また、呪詛師が使用したと思われる術式のマーキングも見つからなかったことから、呪詛師は福沢の非常に近くに潜んでいると考えられます。
釘崎野薔薇は、この状況を分析し、呪詛師が術式範囲内にいて福沢を狙っているのではないかと推測します。
さらに、呪詛師が使っている術式は隠密性が高いか、呪力の扱いに長けた相手であり、厄介な戦いになるだろうと考えます。
伏黒恵もまた、呪詛師の術式が福沢の周辺に限定されていることを考慮し、彼が半径50メートル以内、少なくとも100メートル以内に潜んでいる可能性を指摘します。
繁華街での捜索と呪詛師の特定の難しさ
虎杖悠仁たちがいるのは繁華街であり、多くの人々が行き交う場所です。
そのため、呪詛師を特定することは困難を極めます。
人通りが多く、建物が密集しているため、呪詛師は容易に姿を隠すことができ、見つけるのは容易ではありません。
伏黒は、もし見通しの良い場所で術式を再発動させることができれば、呪詛師を察知できる可能性があると考えますが、そう簡単には行かないだろうと冷静に判断します。
この時、虎杖悠仁が「誰もいない平野まで連れていくか?」と提案しますが、伏黒はそのアイデアに対し、「そんなところに呪詛師がついてくるとは限らない」と現実的な指摘をし、虎杖の案を否定します。
これに対し、虎杖は変顔をしながら「間接的に馬鹿って言われた」とリアクションします。
呪詛師をおびき出すための作戦
その後、釘崎野薔薇が「虎杖が福沢の彼女を抱えて走って、呪詛師をちぎればいいんじゃない?」とさらに無茶な提案をします。
しかし、伏黒は冷静に「だから呪詛師は追ってこないだろう」とツッコミを入れ、釘崎の案を一蹴します。
釘崎はこれに対して「私もバカって言われた!」と、虎杖と同様に変顔でリアクションし、場面は一瞬の笑いに包まれます。
釘崎はさらに、福沢カップルに車で旅行に行ってもらい、その間に呪詛師をおびき出す作戦を提案しますが、虎杖たちは呪詛師が術式で福沢の居場所を簡単に探知できるため、この策も効果が薄いと判断します。
最後に虎杖は、福沢カップルが旅行から戻ってきた際に、呪詛師が術式を再発動させるかもしれないタイミングで呪詛師を見つけるという案を提案しますが、伏黒は「それでは呪詛師に主導権を握られすぎる」と再び指摘し、作戦が行き詰まります。
呪詛師との追跡劇とその正体
伏黒恵は新たな作戦として、タワーマンションを利用することを提案します。
福沢カップルが友人宅を訪ねるふりをし、エレベーターに乗せることで、呪詛師の術式範囲外に出させるというものです。
この作戦により、呪詛師の術式を封じ、虎杖たちが呪詛師を感知するための手がかりを得ることができます。
エレベーターを使った作戦と呪詛師の呪力感知
福沢カップルがエレベーターに乗り、40階に到達した瞬間、福沢の顔が元に戻ります。
この変化のタイミングで、虎杖悠仁たちは呪詛師の呪力を感知し、呪詛師が近くにいることを察知します。
虎杖と釘崎はビルの屋上から飛び降り、呪詛師を追跡します。
しかし、呪詛師の正体はただのモブキャラクターであり、大きな脅威ではありませんでした。
呪詛師は虎杖と釘崎に術式を発動し、二人の顔を変化させ、目玉が大きくなってしまいます。
その隙に呪詛師は逃げ出しますが、伏黒恵が先回りし、玉犬渾を使って呪詛師を取り押さえます。
呪詛師の正体と犯行動機
捕まった呪詛師の正体は、福沢の彼女が勤めていたキャバクラの客でした。
呪詛師は彼女に対して多額の貢物をしていたにもかかわらず、相手にされなかったことに怒り、犯行に及んだのです。
さらに、福沢の彼女が持っていたバッグも、呪詛師が購入したものであることが判明します。
しかし、福沢の彼女はこの呪詛師のことを全く覚えていませんでした。
呪詛師が連行されていくのを見て、虎杖悠仁は何かを思い出します。
それは、五条悟との過去の会話でした。
五条悟との回想と虎杖の成長
呪詛師の連行後、虎杖悠仁は過去に五条悟と交わした会話を思い出します。
その会話では、五条が未来について虎杖に語っていました。
五条悟の未来への思いと託された意志
五条悟はいきなり「もう五条悟とかどーでもよくない?」と言い出し、もし自分に何かがあった時、虎杖に自分の意志や夢を繋いでいってほしいと話します。
五条は、「今の自分が終わったとき、みんなは自分よりも大人になる日がくる。その時、一人くらい自分とは全く違う強さを持つ人間がいてもいい」と語り、虎杖に未来を託します。
それに対し、虎杖悠仁は「忘れるわけないじゃん」と笑顔で応じます。
五条悟は、「自分はこれ以上ない強気だ」と語り、虎杖に期待を込めて未来を託す姿が描かれます。
この会話は、五条がただの強者ではなく、次世代に何かを残そうとする彼の思いが垣間見える重要なシーンです。
呪詛師に対する虎杖の優しさ
回想が終わり、虎杖悠仁は捕まった呪詛師に対し、「死刑になるわけじゃない、やり直せる」と優しく語りかけます。
これからどうしたらいいのか…と悩むモブに対し、虎杖悠仁は「しっかり反省して、次は俺たちの仕事を手伝ってくれ。期待してるぞ」と、目標を示して励ました。
五条悟と爺ちゃんの意志を継ぐ虎杖悠仁
虎杖悠仁は五条悟に「期待してるよ!!」と未来を託されました。
そして、その言葉を胸に、虎杖は呪詛師に対して「期待してる!!」と声をかけ、励まします。
このことは、五条悟の想いが確実に虎杖に引き継がれていることを示しています。
さらに、第1話で虎杖の爺ちゃんは「手の届く範囲にいる救える奴は救っとけ」と孫に言い残しています。
その教えに従い、虎杖は呪詛師を捕らえるだけでなく、彼自身も救ったのです。
こうして、虎杖は五条悟と爺ちゃん、両方の意志をしっかりと受け継いでいるのです。
宿儺の最後の指の行方
釘崎野薔薇は、最後に宿儺の指について虎杖悠仁に尋ねます。
それに対して、虎杖は宿儺の指を「魔除け」にしたことを明かします。
この「魔除け」という行動は、虎杖なりの考えや覚悟が反映されているようで、単なる呪物としての役割だけでなく、何か深い意味が込められているのかもしれません。
宿儺と真人の再会と改心、そして呪いの終焉
物語は、宿儺と真人の再会シーンに移ります。
死後の世界(魂の通り道)で、宿儺と真人が向き合い宿儺の過去と本心が語られます。
宿儺の後悔と改心、羂索の正体は巫女さんだった
真人は、宿儺は嘘をつき身の丈に合った生き方をしていなかったと話しています。
宿儺は、異形の忌み子として生まれた自分を迫害した者たちに対する復讐を強く望んでいました。
宿儺には二つの進むべき道がありました。
一つは平安時代の羂索?(黒髪の巫女)で、もう一つは平安時代の裏梅(子供)です。
宿儺は、自分の中から湧き上がる呪いをどうしても吐き出さずにはいられませんでした。
呪いによって自分が焼き尽くされることを恐れていたのです。
「次に生まれ変わることがあったら、別の道を歩むのも悪くないかもしれない」と宿儺はつぶやきます。
そして、泣いている裏梅の手を取り連れて歩き出しました。
真人の怒りと宿儺の決意
すっかり丸くなってしまった呪いの王に、真人は激しく憤慨します。
宿儺は自らの敗北を認め、心を入れ替えていました。
取り残された真人は、まるで子供のように駄々をこね始めます。
まさに人間から生まれた呪いである真人らしい結末です。
日常への帰還と最後の宿儺の指
五条悟が育てた強く聡い仲間たちである乙骨憂太、真希、狗巻、パンダ、秤、綺羅羅、そして虎杖悠仁たちは、それぞれ日常へと戻っていきます。
物語は日常に戻りつつも、虎杖悠仁が最後の宿儺の指を百葉箱に納めたシーンが描かれます。
箱には「推魔怨敵」の札が貼られており、これは密教における呪いの最高秘法です。
また百葉箱の扉絵は北向きとなっています。
これは太陽が直接、中の温度計に当たらないようにするためです。
冥冥は「新しい自分になりたいなら北へ。昔の自分に戻りたいなら南へ行きなさい」と言っていました。
宿儺も北に向かって歩き出し、宿儺の指は呪いの象徴から平和の象徴へと姿を変えたことが強調されています。
物語はここで完結し、呪術廻戦は大団円を迎えます。
呪いは廻るループ説はしっかり否定されている
一部の読者は、1話の冒頭と最終回のラストシーンで百葉箱に宿儺の指が入っていることから、「呪いが巡っている」と解釈しています。
しかし、最終回のタイトルが「これから」であり、物語の中では宿儺が改心し裏梅と共に異なる新しい道を歩み始めたことが明確に描かれています。
さらに、ラストシーンで描かれている宿儺の指の付け根には、小さな手のようなものが見えます。
これは、おそらく宿儺が魂の世界で裏梅と手を繋いだことを象徴しているのでしょう。
この演出を表現するために、裏梅が幼少時の姿で描かれていた可能性が高いです。
宿儺の改心を確信した虎杖悠仁は、宿儺の指を魔除けとして百葉箱に納めたのです。
外見こそ同じ「百葉箱の中の宿儺の指」ですが、その意味は全く異なり、これは宿儺の呪いが解けたことを示す、紛れもないハッピーエンドの象徴となっているのです。
回収されていない伏線が多いと批判の声も
一部の読者からは伏線、フラグが回収されていないと批判する声も挙がっています。
回収されずに終わった伏線やフラグには以下のようなものがあります。
- 天元と羂索の関係性
- 宿儺が堕天と呼ばれた理由
- 天使と宿儺の因縁
- アメリカ軍の結末
- 虎杖の領域展の名前
- 伏黒恵に無量空処の影響がなかった理由
- 虎杖悠仁に似ている播磨の人物
- 虎杖悠仁の父の安否
- 釘崎野薔薇が復活できた理由
- 五条悟の死体の行方と葬式
このように回収されていない展開は多々あります。
しかし、芥見下々先生はエヴァンゲリオンの庵野秀明監督について、リスペクトの意を込めて以下のようにコメントしています。
芥見下々「庵野秀明監督をとても尊敬しています。新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ)での設定や世界観を過度に説明しすぎず、視聴者に創造の余地を残すところ、あくまで構成はエンタメに寄せるところなどは影響受けまくりです。」
最近では、漫画に限らず、すべてを丁寧に説明されないと理解しにくいと感じる読者が増えているとも言われています。
『ワンピース』もその流れを受けて、戦闘シーンをモブキャラクターに言葉で説明させることがあり、『ハンターハンター』においては、文字が大量に並ぶページが増えています。
そのような風潮に対し、『呪術廻戦』の最終回では、意図的に余白を残すことで、読者に想像する余地を与えています。
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