ハンターハンター410話「交渉4」:緊迫の頭脳戦と王位継承戦の行方
ハンターハンター410話では、モレナとボークセンの知略を尽くした交渉ゲーム、そしてブラックホエール1号の船内で進行する王位継承戦の緊迫した状況が、緻密に描かれます。
このエピソードは、モレナの能力「サイキンオセン」の詳細な説明と、ベンジャミン王子の三権統合を巡る策略が重要なポイントです。
また、船内の複雑な状況と、各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、物語は新たな展開を迎えます。
この記事では、ハンターハンター410話の内容を、キャラクターの行動や心理、そして物語の背景を交えながら詳細に解説します。
モレナとボークセンの頭脳戦:イカサマとその結末
モレナとの交渉ゲームで、ボークセンはYESのカードを選択します。
しかし、内心では「違う!そうじゃない!!」と激しく動揺しています。
自分の意思とは裏腹に、口からは「これが私の選んだカードで間違いない」という言葉が、勝手に溢れ出てしまうのです。
ボークセンのこの言動は、彼の混乱と焦燥感を如実に表しています。
モレナは、ボークセンが仲間になってくれることを喜びつつも、彼がイカサマをしたことを見抜いていました。
少し残念そうに指摘します。
ボークセンは、Dのカードを使った後、手元の2枚のカードを確認した際に、Rのカードに凹みをつけてマークを付けたのです。
さらに、勝利の喜びに浸るあまり、カードを握りつぶして証拠隠滅を図りました。
この一連の行動は、ボークセンの狡猾さと、同時に彼の未熟さを示唆しています。
モレナは、交渉ゲームは自身の能力の一部であることを明かし、イカサマをしたことで操作系の能力が自動的に発動し、YESかNOしか選べなくなったと説明します。
最後のカードの選択肢が2つに絞られたとはいえ、選んだのは紛れもなくボークセン自身の責任であると指摘します。
さらに、モレナは、不正行為は真剣勝負からのリタイアと捉えるべきだと述べ、ボークセンが自分の仲間になることを認めさせます。
モレナの冷静な対応と、ボークセンを確実に自分の支配下に置く手腕は、彼女の能力の恐ろしさを物語っています。
モレナ組の結束:ボークセンの新たな立場
ボークセンは、モレナの操作系能力が解除された後、その場に倒れ込みます。
ボークセンの操作系能力が解除され、疲労感からかその場に崩れ落ちるボークセンの姿に、モレナ組の面々は冷ややかな視線を送ります。
モレナ組は、ボークセンが仲間であり続ける限り、彼とその周囲の大切な人々を狙うことはないと約束します。
これは、ボークセンがモレナ組に従順であることを条件とした、一種の保護とも言えるでしょう。
仲間となったボークセンに対し、モレナは自身の念能力「サイキンオセン」について詳しく説明を開始します。
モレナの能力はまるでスマホゲームのようなシステムです。
ボークセン自身にインストールされ、そのプレイデータは運営者であるモレナが管理する仕組みです。
レベルやポイント数、位置情報やステータスなど、ボークセンに関するあらゆる情報がモレナに筒抜けとなります。
さらに、このアプリは削除不可能であり、ゲームをクリアするか、運営者であるモレナが消滅するか、スマホに相当するボークセンが死亡するまで、ゲームは強制的に続けられます。
完全に仲間となった後の行動は自由であり、モレナの目に余りさえしなければ、仲間割れや裏切りも禁止されていません。
しかし、これは裏を返せば、モレナの意にそぐわない行動を取れば、いつでも排除される可能性があることを意味しています。
ボークセンの葛藤と決断:新たな目的
ボークセンは現在レベル0です。
殺人を目撃することでレベル1の正式な仲間となります。
さらに、レベル21で念能力が覚醒し、レベル100になると、自分のチームを率いることが可能になります。
一般人を一人殺害するとレベルが1つ上昇します。
念能力者を一人殺害するとレベルが10、王子を一人殺害するとレベルが50も上昇するのです。
これは、モレナがボークセンに、暗殺者としての道を歩ませようとしていることを示唆しています。
レベルを上げるかどうかはボークセン次第です。
しかし、モレナは、ボークセンが不要な人間だと判断すれば、容易に裏切ると警告します。
モレナのアジトに留まるか、かつての仲間の元へ戻るかも、ボークセンの自由です。
しかし、ボークセンには別の特質系能力者候補が見つかるという、期日の定かではないタイムリミットが設定されています。
ボークセンは、モレナの能力によって、自身の見聞きする全てがモレナに知られることを理解しています。
この状況下で、モレナ組に対抗するためには、念能力を習得することが不可欠です。
しかし、そのためには誰かを殺さなければならないというジレンマに直面します。
苦悩の末、ボークセンは「目的が出来たから」と、かつての仲間の元へ戻ることを決意します。
ボークセンは、モレナに案内を頼み、その間にモレナ組に関する情報を聞き出そうと画策します。
この決断は、ボークセンが単なる駒ではなく、自らの意思で未来を切り開こうとする強い意志の表れです。
船内の非常事態:特殊戒厳令と軍部の動向
一方、ブラックホエール1号の船内では、特殊戒厳令が発令され、第3層は軍の兵士によって制圧されます。
軍の隊長には、超常現象に関するケースSの報告が届きます。
それは、ノブナガたちが閉じ込められた、エイ=イ一家のアジトへの入り口である3101号室に関する情報でした。
この報告はベンジャミンにも伝えられ、彼はエイ=イ一家の対応を第3分隊に一任します。
ベンジャミンたちは、チョウライとルズールスの捜索を軍に指示します。
カチョウは司法省に保護を求めたか、あるいは下層に降りてマフィアと合流した可能性が指摘されます。
第2分隊の偵察班と猟兵班は、チョウライの確保に専念することになります。
ベンジャミンの野望:細菌感染と時間制限
ベンジャミンは細菌兵器を浴び細菌に感染している状態です。
どのように感染したかは不明ですが、細菌兵器の使用者をハルケンブルグとツェリードニヒと言っているのでハルケンブルグの可能性があります。
彼が活動できるのは、残り9時間半です。
その時間内に、王子たちを殲滅しようと意気込んでいます。
王位継承権は、ベンジャミンが正式に受理さえすれば、たとえ彼が死亡しても、その子供に王位を継承させることが可能です。
これは、緊急事態法第一条の「王制維持の危機」が適用されるためです。
ナスビ王からの継承権譲渡の宣言と誓約書の受理、その後、ベンジャミンの非嫡出子を正式な後継者とするための法的手続きに必要な時間を考慮すると、ベンジャミンに残された時間は限られています。
そのため、彼は残る4人の王子たちを早急に抹殺しようと画策しています。
ベンジャミンの策略:三権統合とミザイストムの洞察
ベンジャミンは中央裁判所を訪れ、軍部による三権統合の宣誓を執り行おうとします。
司法省は、軍部が統合指令本部として引き継ぐことになります。
中央裁判所には、ミザイストム、ボトバイ、カイザルが居合わせ、この3人を立会人として指名します。
この動きは、ベンジャミンが、自らの権力基盤を強化しようとしていることを示唆しています。
ミザイストムは、特殊戒厳令の発令根拠について、ベンジャミンに提示を要求します。
ベンジャミンは、ツェリードニヒとハルケンブルグの共謀による生物兵器テロであると説明します。
さらに、ベンジャミンは、軍内部にも協力者が存在し、開発中のサンプルを船内に持ち込んだと主張します。
協力者は複数名おり、現在は容疑者数名を拘束して尋問中であると述べます。
容疑者の一部は、安全確保のために招集された王子たちの警護に同行していたようだが、万が一を考慮して、事務作業は早急に済ませたいと、ベンジャミンは付け加えます。
しかし、ミザイストムは、ベンジャミンの真の狙いを一瞬で見抜きます。
ベンジャミンは、第1層にいる王子たちを人質にして、三権統合を強要しようとしているのです。
ミザイストムは、ベンジャミンを直情型で最短距離を好む独裁者と評し、彼の主張する根拠のほとんどが、都合よく歪められた嘘であると推測します。
ベンジャミンの焦燥:ボトバイとカイザルの視点
ベンジャミンは、サンプルの詳細が判明するまで、感染の疑いがある者の隔離を解除できないと主張します。
三権が統合されていない現状では、彼の立場では病院への移送も許可しかねると述べます。
さらに、ナスビ王への委任状は現在作成中であると説明します。
これらの発言は、ベンジャミンが時間的猶予がないことを示唆しています。
ボトバイは、ベンジャミンの顔色が優れないことを指摘し、体調を心配します。
しかし、ベンジャミンは全く問題ないと返答します。
このやり取りは、ベンジャミンの体調が悪化していることを示唆しています。
カイザルは、ベンジャミンが強硬に事を急ぐ理由を、自身の感染だと推測します。
ハルケンブルグの症状と照らし合わせ、ベンジャミンの活動限界は長くとも24時間であると予想します。
残り1日を逃げ切れば、光明が見えてくると考えます。
カイザルは、自分にはまだ「最後の砦」があることを確信しています。
この状況は、王位継承戦が、最終局面を迎えつつあることを示しています。
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