ハンターハンター403話「成果」で継承戦は激化の一途を辿ります。
暗殺、陰謀、そして出生の秘密…様々な思惑が渦巻く中、バルサミルコとハルケンブルグの対決は予想外の結末を迎えます。
カチョウの策略、ベンジャミンの疑念、そしてクラピカの決断…それぞれの思惑が交錯し、物語は怒涛の展開へ!果たして、継承戦を制するのは誰なのか?手に汗握る心理戦、そして念能力バトルの行方から目が離せません!
バルサミルコ、ハルケンブルグ暗殺へ
午前6時45分、第2層内司法省ビル。
バルサミルコはハルケンブルグ暗殺へと向かいます。
綿密な計画を立て、周到に準備を進めてきたバルサミルコ。
法廷周辺にハルケンブルグの私設兵がいないことを確認し、自身の計画に狂いがないことを確信します。
バルサミルコの緻密な計画
ハルケンブルグの側近はベリービップエリアで監視下に置かれ、その他の兵は3層以下に分散配置されていることを確認したバルサミルコ。
あの超強力な鳴動を生み出すための仲間は、ハルケンブルグのそばには一人もいないと判断します。
手荷物検査とセキュリティチェックを難なくクリアし、バルサミルコは法廷へと足を踏み入れます。
バルサミルコの確信
反対尋問の距離であれば、致死率100%の攻撃を確実に成功させられると確信するバルサミルコ。
ハルケンブルグに逃れる術はないと踏みます。
ただし、2%未満とはいえ、事情を知らず通常の呼吸をしている裁判長と弁護人が感染する危険性も考慮します。
無聴衆法廷のためパンデミックの可能性は低いと判断しますが、万が一の事態に備え、特殊戒厳令の発動も視野に入れます。
予期せぬビクトの出現
通路を進んでいたバルサミルコは、背後に何者かの気配を感じ、振り返ります。
そこに立っていたのは、死亡したはずのビクトでした。
そして同時に、ハルケンブルグの鳴動も感知します。
「バカな!!ハルケンブルグの側に私設兵は一人たりともいないはずだ」と、バルサミルコは激しく動揺します。
彼は、ビクトがハルケンブルグの私設兵に入れ替わっていることを知る術はありませんでした。
ハルケンブルグの能力発動!戦慄の念能力バトル
ビクトは軍用手話でバルサミルコに「ハルケンブルグの能力の秘密が判明」と合図を送ります。
バルサミルコの背後からハルケンブルグが姿を現し、攻撃態勢に入ります。
ハルケンブルグの周りには、13人ほどの支援者の一般人がいました。
その中の一人がノートパソコンを操作し、バルサミルコの正確な位置情報をハルケンブルグに伝えているようでした。
ハルケンブルグは、確実に攻撃を当てるため、60cm単位で立ち位置を調整します。
少年は残酷な弓を射る(グリマル・レ・ディソナンス)
そして、ハルケンブルグは「少年は残酷な弓を射る(グリマル・レ・ディソナンス)」を発動します。
強烈な矢がバルサミルコに襲いかかります。
「少年は残酷な弓を射る」の元ネタは、リン・ラムジー監督の映画『少年は残酷な弓を射る』(原題:We Need to Talk About Kevin)です。
この作品は、母親と問題行動を起こす息子ケヴィンとの関係を描いた心理サスペンスで、残酷なテーマが中心となっています。
また、「グリマル・レ・ディソナンス」の元ネタは、フランスのヴァイオリニスト、ダヴィッド・グリマル(David Grimal)が2004年に創設したオーケストラ「レ・ディソナンス(Les Dissonances)」です。
このオーケストラは、指揮者を置かずに演奏する独自のスタイルで知られ、クラシック音楽の枠にとらわれない革新的なアプローチをしています。
これはハルケンブルグの目指す民主主義への目標が反映されていると考えられます。
ベンジャミンの疑念
一方、ベンジャミンは私設兵と通話中でした。
ハルケンブルグの裁判は、双方から開始時刻変更の要請があり、まだ始まっていないとのこと。
理由を尋ねると、原告側の機器トラブルによる準備不足と、被告側の被告人本人の体調不良が認められ、回復次第の開始となるという回答でした。
「一体どういうことだ?」とベンジャミンは考え込みます。
「機器トラブルは作戦未実行の暗喩か?いや、その前にハルケンブルグの能力が発動している。
これを兵隊長に向けた攻撃と見ないのは無理がある。
兵隊長が攻撃を受けた側なら、何故ハルケンブルグの方が体調不良になる!?」と、ベンジャミンは混乱します。
ベンジャミンの推理
「そもそも何故奴は能力を発動できた?単独?いや、不可能だ。
相討ちか!?能力発動に気づき兵隊長が突撃し、TSK-17を浴びせたなら…だとしても症状が出るには早すぎる。
原因は別にある」とベンジャミンは推理します。
ハルケンブルグの病状について尋ねると、私設兵は「突然気分が悪くなり、その場に倒れたそうです。
現在は医務室で休んでいて容体は安定しているとのことですが…」と答えます。
「ハルケンブルグの側に誰かいたか?」とベンジャミンが聞くと、私設兵は「ハルケンブルグの支持者10数名が側にいて介抱し、今も数名が残って看病にあたっている模様です」と答えます。
「支持者が能力発動に協力したということか。
忠誠度が高ければ、所属は発動条件に含まれないわけか」とベンジャミンは考えます。
「これは高確率で罠だ。
ハルケンブルグの病気はフェイクだ」と確信します。
「おそらく兵隊長はハルケンブルグに攻撃され、自らの意志ではなくオレと話そうとしている」と推測します。
「ハルケンブルグの能力は操作系の強制型だ」とベンジャミンは考えます。
「シカクの時に兵隊長が語った操作能力は、早い者勝ちという縛りは対個人同士では効果的だが、集団で結束協力した強力な念の前では機能しないと考えるのがむしろ自然だろう」とベンジャミンは推察します。
「操作された兵隊長がオレに何を仕掛けてくるのか、お手並み拝見だ」とベンジャミンは考えます。
バルサミルコからの連絡とベンジャミンの策略
ベンジャミンのもとに、バルサミルコから連絡が入ります。
「任務はまだ完了していません」とバルサミルコは報告します。
「ハルケンブルグの方にトラブルがあり、裁判が先延ばしにされたためです。
先程の鳴動はお気づきになりましたか?」と尋ねます。
ベンジャミンは「無論だ」と答えます。
バルサミルコは「念の弓矢が私に向けて放たれましたが、攻撃は外れ、ハルケンブルグはその場で意識を失いました」と説明します。
「短時間の無理な連続発動で限界だったか、あるいは私設兵ではなく一般人を強力に使ったことによるひずみによるものだと予想します」と付け加えます。
ベンジャミンの不信感
ベンジャミンは、バルサミルコの説明をもっともらしく思いながらも、「裁判を後日に延期するための仮病であるのは明白だ」と内心で疑念を抱きます。
「つまり裁判再開の目処が立たぬということか」とベンジャミンは確認します。
バルサミルコがこのまま任務不履行で戻るなら、ハルケンブルグとの共謀によるクーデターとみなして特殊戒厳令を発令し、両名とも粛清すると心の中で決意します。
バルサミルコの申し出
しかし、バルサミルコは「これはむしろチャンスです」と切り返し、「ハルケンブルグに面会する許可をいただきたい」と申し出ます。
「医務室には付き添いでハルケンブルグの支援者が複数いるとは思いますが、宜しいでしょうか?」と付け加えます。
ベンジャミンは「医務室で任務を実行すると見せかけて、その時間を使いオレを陥れる機を伺う算段か」と疑念を深めます。
ベンジャミンの指示とバルサミルコの決意
「現場での判断は全て任せる。
オレが求めるのは結果のみだ」とベンジャミンは告げます。
バルサミルコは「ハルケンブルグの能力が使われた以上、今現在私が黒に近いグレーであることも重々に承知しております。
従って、完璧な任務完了をお見せするまでそちらには戻りません。
部下にもそう伝えてください」と決意を表明します。
「今日中に確実な成果をご報告します」と自信満々に宣言します。
ハルケンブルグの母親はドゥアズルではなくウンマが確定!乃木坂46ネタも発見!!
午前7時50分、ベンジャミンは兵隊長バルサミルコの言葉が真実かどうか一瞬迷います。
しかし、「完璧な任務完了を確認するまで黒だ。
我々を待機させるための罠の疑念が深まっただけのことだ」と考え直し、ブッチに「鳴動が兵隊長に向けての攻撃だ。
真意がわかるまで第一級警戒体制を敷け。
兵隊長がこちらへの連絡なしに司法局を出たら、直ちに特戒令を出す。
至急2、3層に伝えろ」と命令します。
カイザルの訪問とベンジャミンの思惑
そこにカイザルがフウゲツからの手紙を持って現れます。
ベンジャミンは「司法省の最高幹部候補であるカイザルは、オレが王になった後も長く付き合っていく必要のある相手だ。
互いの情報を利用しいい関係を築いておくに越したことはない」と考え、カイザルに会うことにしました。
ウンマとハルケンブルグの秘密
一方、第一王妃のウンマはハルケンブルグと通話していました。
「その心配はないわ。それで大丈夫」とウンマは言います。
「貴方らしい選択ね。支持するわ。晩餐会で会えないのは残念だけど、誇りに思ってるわ、ハルケンブルグ。愛しい私の息子」と愛情を込めて語りかけます。
実は、ハルケンブルグはドゥアズルの息子ではなく、ウンマの息子だったのです。
ハルケンブルグの元に集まった支援者たちは、ウンマが用意した人員でした。
乃木坂46好きというのはロックだぜ!カチョウの手紙とベンジャミンの反応
カチョウからの手紙にも、ハルケンブルグの出生の秘密が書かれていました。
「不敬罪を恐れて皆は黙っているけど、死人の私なら何でも言えるからあえて進言します」と書かれており、手紙を縦に読むと「乃木坂46好きというのはロックだぜ」というメッセージが隠されていました。
海外サイトでは、継承順位を変えることで兄たちの暗殺からハルケンブルグを守るため、ウンマが秘密裏にドゥアズルに頼んだという説が有力視されています。
継承戦が始まって順位にはほとんど意味がなくなりましたが、噂が事実なら、ウンマ自身の権力を使いハルケンブルグに裏で協力しているかもしれないという大きな問題が生じます。
「死人の私だからこそ出来ること、言えることがまだあるから、どうかフウゲツのことよろしくお願いいたします」とも書かれていました。
ベンジャミンはこの手紙について「政治的な意図のない極々普通の内容だな。
あえて見せることもなかろう」と判断します。
しかし、カチョウは「頭が切れる。妹のため様々な画策をしていても不思議はないが、所詮ブラフと憶測頼みだろうな。
第2、第3の手紙や物証があるとしても、小娘の政治力でオレ以上の方法を掴んでいたとは到底思えぬ」と考えます。
カイザルの思惑
カイザルは、本当なら継承戦やベンジャミンの根幹に関わる情報で彼を揺さぶりたいと考えていましたが、「万が一にも司法省がかかわっているかもと疑念を持たれては逆効果だ」と考え、特殊戒厳令がかなりの高確率で現実味を帯びてきていることが判っただけでも大収穫だと判断します。
チョウライ、カミーラ、ツベッパ、タイソンも手紙を読みます。
センリツサイドでは、受け取りを拒否したのは第4、13王子、治療中のハルケンブルグでした。
ツェリードニヒは「キッパリ捨てていい」と言いました。
カチョウは「これで一人でも私のタレコミに興味持ってもらえたら儲けものね。
情報の仲介役としてフウちんを重用するかもしれないし」と考えます。
「ルズールスの主寝室にマーキングできただけでも大成功。しかし、ここからが本番よ」と気を引き締めさせます。
フウゲツとセンリツ、そしてクラピカの報告
医務室では、ゲッソリとやつれたフウゲツが寝ています。
バショウのお札のおかげで、フウゲツが一人の時も邪霊が寄り付かなくなっています。
「このまま寝かせて彼女を休ませましょう」とセンリツは言います。
フウゲツの容態が回復するのは、明日の木曜の夜になりそうです。
クラピカ、オイトに継承戦の現状を報告
クラピカは、手紙から得た情報をオイトに報告します。
「継承戦の最中に船から離れようとしたら死の罰が待っている」という事実を伝え、「この船が蠱毒の壺であることを示しています」と説明します。
オイトは「王子達は最後の一人になるまで絶対にこの戦いを続けるしかないのですね」と悲しみます。
クラピカは「巨大な念の力が船全体を覆って逃亡を許さない制約が課せられている。これは『死以外の離脱』を認めていないように受け取れます」と分析します。
しかし、同時に「逆に望みが出てきました」と新たな可能性を見出します。
ワブル王子と他の幼い王子たちを守るため、クラピカはオイトにある許可を求めます。
クラピカが見出した脱出の望みとは?
クラピカは、継承戦から脱出できない理由が、強力な制約を伴った巨大な念によるものだと指摘しています。そして、その事実が明らかになったことで、希望が見えてきたと語っています。
これまでの『ハンターハンター』の物語でも、念能力は万能ではなく、常に何らかの弱点や抜け道が存在することが描かれてきました。したがって、継承戦から逃げられないという制約も念によるものである以上、必ず攻略法があるとクラピカは考えています。
さらに、この巨大な念は、単独の人物によるものではない可能性が高いと推測されています。継承戦は王を決める儀式であり、この念は国民が新たな王を求める集合的な念の表れであると考えられます。王位継承戦そのものが国全体の意志を背負っているため、この強大な念が存在しているのかもしれません。
ハルケンブルグが王制を廃止し、民主主義を実現しようとしているのも、この念の解除を目指しているからかもしれません。王の存在をなくすことで、継承戦にかかっている念を打破し、自由を得ようとしている可能性があります。
チョウライと守護霊獣の能力の謎
チョウライの手元には、守護霊獣が創出した硬貨が7枚あり、他人に譲渡したものが3枚あります。
問題なのは、「1」という数字が書かれたコインが、今日「10」に変わっていることです。
チョウライコインからは、ズズズという禍々しいオーラが漂っています。
それ以上に問題なのは、今現在何が起こっているのか皆目見当もつかないことです。
チョウライの仮説と私設兵との意見交換
私設兵に意見を求めるチョウライ。
「コインは1日1枚創られる。10日で10枚、10日経つとコインが変化するという仮説が成り立ちます」と説明し、「10のコインに10日前の日付を付けておき、今後新たにできる硬貨は製造年月日を明記し管理しよう」と指示します。
これで遅くとも10日後には推論の検証がなされます。
譲渡した硬貨の効果も追跡調査する必要があります。
私設兵は「持つものに付加価値を与えるため、または逆に所有者の成長にかかわる媒介変数を可視化しているとか、もっと単純に考えて育つ効果としてそのまま使えるということなのでは?」と意見を述べます。
チョウライの守護霊獣の能力はドラクエのパルプンテ?クラピカへの期待
「もし10日ごとにコインの桁が増加するならば、10のコインは一か月後には1万になる。なるほど、630日経つとパルプンテが使えるな」とチョウライは呟きます。
私設兵が「は?」と聞き返すと、「一人言だ。気にするな」と返します。
チョウライの守護霊獣の能力はドラゴンクエストに登場する呪文「パルプンテ」のように何が起こるか分からない現象を引き起こすものかもしれません。
チョウライは、私設兵の考えは既に思案済みの凡庸な意見ばかりで、念能力の効果を推し測るための経験と知識が圧倒的に足りないと感じています。
「1014号室へ電話だ」と指示します。
継承戦の結果を左右する念に関する情報と守護霊獣の能力と効果を分析した結果、継承戦を勝ち抜くためにはやはりクラピカが必要不可欠だという結論に至ったのです。
カイザルとハルケンブルグの駆け引き
カイザルは、ハルケンブルグ周辺の集団失神についてシュタイナーと話し合います。
カイザルとシュタイナーは事前にハルケンブルグから「集団催眠効果のような現象が僕との面会後に起こるかもしれないが心配しないでほしい。
接見の喜びと極度の緊張からの解放とが相まってのことですぐに意識を取り戻しますからね」と説明を受けていました。
実際に王子と面会した支援者10数名が同時に控室で倒れたという報告を受けています。
王子の言う通り回復し、身体反応も異常なしでした。
シュタイナーの懸念とカイザルの決断
「それとは別で気になっている件があります」とシュタイナーは切り出します。
「面会に立ち会っていた局員の一人も、場所と時間は違いますが同じ症状で倒れていたんです」。
これは偶然で片付けるわけにはいかないとカイザルは考えます。
カイザルはその局員と直接会って話を聞くことを決めます。
ハルケンブルグの狙いを聞き出し協定を組むためなら、こちらの状況を正直に話すのもアリだと考えますが、公明正大を好むハルケンブルグが自分の行動をどう思うかは分からず、どのような能力かも未知数のハルケンブルグに直接会うのはリスクが高いと考え直します。
局員の名前はウォーリオ=ベイで、E-6室にいることが分かります。
カイザルとウォーリオの接触、そしてハルケンブルグの死とバルサミルコ乗り移り
カイザルはウォーリオと会います。
「継承戦で超能力が使われ、フウゲツがそれを使って脱出を図り命を落とした。
船には国王公認の結界が張られていること、王子たちが超能力を武器にして闘っていることは知っている」と伝えます。
「司法省主任検事代理としての立場を抜き、ハルケンブルグ王子を支持する。
フウゲツ王子を護ってくれるならの話だがね」と持ちかけます。
ウォーリオは手の甲にあるハルケンブルグの印を見せます。
ハルケンブルグはウォーリオに「カイザルが念能力について自ら言及したら、こちらも包み隠さず話すように」と指示していました。
「集団失神との関連性を疑わないわけがなく、直接自分のもとへ来ないなら警戒している証拠。
すなわち念能力の存在にも気づいているはずだ」と話していたのです。
ウォーリオは「ハルケンブルグ王子は間もなく死にます」と告げます。
ベンジャミンはバルサミルコから「任務完了」の報告を受けます。
「予定通り今夜中に確実な成果をお知らせします」とバルサミルコは言います。
しかし、その背後にはズズズという効果音と共にハルケンブルグの影が…バルサミルコはハルケンブルグに乗り移られていたのです。
そして、ハルケンブルグは死亡したように見えます。
カイザルもその事実を確認します。
ベンジャミンとバルサミルコ、そしてクラピカの決断
クラピカは、オイト王妃から手紙の公開許可を得たことで、継承戦に新たな戦略を持ち込みます。
手紙の内容を公表することで、上位王子たちに影響を与え、継承戦の勢いを和らげようとする狙いが見えます。
明日から始まる第2回の念の講習でも、この手紙の公開が鍵となり、王子たちの反応を引き出すことが期待されています。
クラピカ、手紙公開の許可を得る
クラピカはオイト王妃から手紙の公開に関して許可を得ました。
第2回目の念の講習は明日から開始される予定です。前回と同様に、すべての王子に講習の内容を伝え、出欠は各自の判断に任せます。その際、手紙を公開することについても知らせます。
手紙はクラピカ宛てではなく、オイト王妃宛てのものであり、その理由は以下の3つです。
1つ目は、余計な疑惑を避けるためです。
上位の王子たちの間ではお互いのスキャンダルや犯罪が手紙で暴露されており、下位の王子がその秘密を握っているのではという不安が、争いをさらに激化させる恐れがあります。
そのため、クラピカ宛ではなく王妃宛てにすることで、この疑念を避けます。
2つ目は、カチョウ王子の想いを伝えることで、少しでも継承戦の勢いにブレーキをかける意図があります。
継承戦の激化を防ぐため、手紙を公開することで王子たちに何らかの影響を与えたいと考えています。
3つ目は、公開することを事前に知らせることで、上位の王子たちからの接触を期待している点です。
空振りに終わる可能性は高いものの、接触があれば、その内容次第で手紙の公開を延期または中止するといった駆け引きができる可能性もあります。
クラピカとオイトはその後、1003号室へと向かいます。
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