この記事ではカグラバチ53話「暗がり」のストーリーをネタバレありで徹底解説します。
巻頭カラーで描かれる冷徹な昼彦と、仲間を守るために剣を振るうチヒロが激しくぶつかり合います。
昼彦の歪んだ友情観、チヒロの覚悟、そして英雄像への葛藤が交錯し、物語はますます深まっていきます。
果たしてチヒロは仲間を守り、昼彦の狂気に打ち勝つことができるのか?
英雄とは一体何なのか、チヒロが辿り着く答えに注目が集まります。
カグラバチ53話「暗がり」:チヒロと昼彦の対決
ジャンプの表紙を飾るチヒロと、巻頭カラーで描かれる冷酷な戦いの幕開け。
二人の因縁と対立が激化する中、真っ向勝負に挑むチヒロが新たな局面を迎える。
果たして、英雄とは何なのか?昼彦の狂気とチヒロの決意が交錯する。
チヒロと昼彦の対峙:冷たい視線と隠された意図
ジャンプ表紙に描かれたチヒロは、淵天を構え「斬る、刃向かうすべて」と決意を示しています。
カラーページでは、舞台の上から冷たい目で昼彦を見つめるチヒロが印象的です。
観客席で笑みを浮かべる昼彦の不気味さが際立ち、巻頭カラーでは淵天を昼彦の首元に当てるチヒロの緊迫した姿が描かれます。
昼彦の髪色はピンクで、その背景には妖刀で居合の構えを見せる漆羽と座村が控えています。
座村との回想:剣術の手本と英雄像への疑問
物語は、チヒロの回想シーンに移ります。
座村が剣の手本を見せた場面の続きが描かれ、チヒロは一度見ただけでその技を完全に再現します。
柴は、チヒロの目が国重譲りだと評し、座村の剣術もすぐに習得できるだろうと期待を込めますが、座村は「まだ早い」と制します。
チヒロは「英雄の剣術」と憧れの眼差しを向けますが、座村はそれを拒みます。
座村は、自分たちが人を斬る存在であること、英雄などではないと訴えます。
「実際の戦闘で斬るのは藁ではなく人間だ。
こんなものに憧れてくれるなよ」と語る座村は、戦いの現実を突きつけます。
彼は、自分たちが大量に人を殺した存在であり、そのようなものに憧れを抱いてほしくないと強調します。
この回想は、チヒロにとって英雄像への疑問を投げかける重要な場面となります。
昼彦の歪んだ友情観とチヒロの覚悟
昼彦は、奇妙な友情観を持ちながらチヒロに接近します。
戦いの中で二人の意見がぶつかり合い、友情と殺し合いの境界が曖昧になっていく。
昼彦の意図は何か?そして、チヒロが示す覚悟とは?
昼彦の歪んだ友情観:本気で殺し合うことで友達になる?
回想から現実に戻り、昼彦は「理解してやれるのは俺だけ。
俺は友達になれる」とチヒロに語りかけます。
しかしチヒロは「俺を殺したいんじゃないのか?」と冷たく返します。
昼彦は、殺したいし友達にもなりたいという歪んだ考えを持ち、本気で殺し合うことで友達になれると信じています。
彼自身、これまで友達ができたことがなく、その認識に自信がない様子です。
チヒロは昼彦の言葉に「意味不明だ」と感じながらも攻撃を開始しますが、昼彦は紙を使い逃げの一手を取ります。
妖刀を相手に生身で近接戦を挑むのは自殺行為だと自覚している昼彦は、大量の紙を使って姿を消し、観客たちを宙に浮かせてデコイとして利用します。
これにより、一般人を巻き込むことができないチヒロの攻撃を牽制しようとします。
チヒロの冷静な分析と戦局の打開策
チヒロは、昼彦が紙を通して自分の位置を感知している可能性を考えつつ、折り鶴が人体を貫くほどの威力を持っていることに気付きます。
一方、昼彦もまた、チヒロの能力を分析します。
チヒロの吸収する力は、物理的なものを完全に消失させることができないのではないかと推測し、それが実行されていないことからその可能性が高いと結論付けます。
昼彦は、涅(ちくび)を発動すれば視界がクリアになると考えますが、一般人が巻き込まれる危険があるためためらいます。
さらに、錦(にしき)を使って高速移動しても、鶴が一般人に当たってしまう可能性があるため、動けない状態です。
どの戦術を選んでも、チヒロに対する有効な攻撃手段を見出せず、昼彦はジリ貧の状況に追い込まれています。
それでも昼彦は、自分を信じて「彼らが突破口を開いてくれる」と述べ、一般人をチヒロに向けて近づけます。
チヒロは、昼彦がかつて「こいつらにとってお前は人間じゃない」と言った言葉を思い出し、その意図を理解し始めます。
昼彦の歪んだ英雄観と過去の演劇の教訓
昼彦は、先ほど中断された演劇のシーンに触れます。
敵が人質を取り、主人公の佐助が身動きが取れなくなる場面が再現されます。
昼彦はそのシーンに対して「佐助はクソだ」と批判し、もしこれが現実ならば佐助は殺されていただろうと語ります。
昼彦にとって、英雄的な行動はただの偽善にすぎないと感じています。
「人を斬り殺すくせに、肝心なところで英雄を気取る。
人間のフリをするな」と昼彦は吐き捨てるように言います。
この言葉には、自らが英雄とは真逆の存在であるという昼彦の自己否定が込められています。
彼はチヒロに対して、同じ側に立ってほしいと強く願い、「誰を犠牲にするかが重要だ」と説得を試みます。
しかし、チヒロは昼彦の狂気に対して冷静さを失わず、自らの信念を曲げません。
チヒロの覚醒と昼彦との決着
昼彦の策略により、チヒロは窮地に追い込まれますが、彼の覚悟と覚醒が戦況を大きく変えます。
英雄としての道を拒むチヒロが下した決断とは?そして、昼彦との戦いはどのように終わるのか?
初めての人斬りとチヒロの覚醒
チヒロは、ふと回想にふけります。
座村が初めて人を斬ったとき、その肉の断面を直視することができず、目を閉じた理由について語ります。
彼は、その映像が瞼の裏にこびりついて離れず、自分が人間ではなくなっていく感覚を覚えたと言います。
しかし、座村は自分が地獄へ向かっていると感じながらも、皆を守るために暗闇の中でもがき続けるしかなかったと告白します。
そして、座村はチヒロに「ここはお前が目指すような場所ではない」と念を押します。
それに対してチヒロは、憧れることをやめて尊敬に変えると返答し、座村を喜ばせます。
座村は「そもそもお前、剣士を目指してるんじゃねぇだろ?」と問いかけ、チヒロが何かを言おうとしたところで回想が終わります。
現実に戻ったチヒロは、血に塗れながらも錦の強化によって肉体の耐久力が上がり、昼彦の攻撃に耐えきります。
チヒロの決断と涅の発動
チヒロは、自らの父や契約者たちが戦ってきた理由を思い出し、彼らが英雄であることを確信します。
しかし、彼らがその称号を避けるのは、自らが抱える罪の意識によるものだと気づきます。
それでも、チヒロは「ごめん、俺も一緒に戦うよ」と言い、ついに涅を発動します。
瞬く間に一面が黒く染まり、気づいた時には昼彦に捉えられていたチヒロ。
彼の手は昼彦の毘灼の刺青部分に刀を突き立てています。
一般人は無事で、チヒロは「安心しろよ、俺も悪側(こっち)にいる。
人間じゃないなんて、初めて人を斬った時に受け入れてる」と静かに語ります。
そして、「人様に迷惑をかけないように毘灼を連れて地獄に堕ちてやる」と宣言し、昼彦に毘灼について全て話すよう命令します。
煽りの言葉で締めくくられた場面は、「とうに決まっていた覚悟」で物語の新たな局面を予感させます。
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