忍の如く戦場を駆け抜ける巻墨、座村の居合と漆羽の剣技が織りなす共闘、そしてハクリの命を懸けた妖術発動…。
カグラバチ55話「共闘」は、息つく間もない展開で読者を魅了します。
仙沓寺の危機、毘灼の猛攻、絶体絶命の状況下で、彼らが見せる覚悟と共闘の行方とは? 手に汗握る激闘の幕が今、上がる!
ハクリの焦燥と仙沓寺の危機
妖術による消耗からの回復途上にあるハクリは、一刻も早く戦線に復帰したい焦燥感に駆られていました。
しかし、妖術の再発動にはリスクが伴います。
脳に損傷を負い、二度と妖術が使えなくなるかもしれない、最悪の場合は死に至る可能性もあるのです。
そんな中、ハクリの携帯にチヒロから敵戦力の全容が届きます。
チヒロからの緊急連絡と避難計画
チヒロからの情報で、敵の全戦力が仙沓寺に集中していることを知ったハクリ達は、避難を急ぐことになります。
女性は坊主の不浦にハクリと漆羽を逃がすように指示を出しました。
仙沓寺の守護者として、自身は囮となる覚悟を決めていたのです。
移動陣と脱出への希望
女性はマッキーで床に移動陣を描きます。
仙沓寺前行きのこの陣は、敵戦力が仙沓寺に集中している今だからこそ脱出口として機能するのです。
女性は契約者二人とハクリだけでもここから逃がしたいと考えていました。
神奈備御庭番・座村親衛隊「巻墨」
女性と男性は座村に加勢するつもりでいました。
しかし、ハクリは座村への加勢は足手まといになるだけだと懸念を示します。
漆羽は彼らが巻墨であることから、任せておけば大丈夫だとハクリを安心させました。
巻墨隊長、サングラス少年の登場
女性は巻墨の隊長を起こしに行きます。
隊長は布団で寝ている座村を真似したかのようなサングラスをかけた少年でした。
サングラス隊長は女性に「寝て成長しないとまだ子供なんだから」と言われ、「身体だけでしょ」と反論します。
そしてラムネシガレットを食べ、「気合い入れさせてもらいます」と呟きました。
座村を翻弄する松のおじさんの妖術
座村の元に次々と妖術師が集まってきます。
松のおじさんは松を爆発させ、爆音と硝煙を発生させることで座村の索敵能力を奪おうとしました。
しかし、座村は耳と鼻を惑わされた状態でも敵の殺気に反応し、敵を斬っていきます。
松のおじさんは意思のない松で攻撃し、座村にダメージを与え、そこから松と妖術師で波状攻撃を展開させました。
漆羽の分析と加勢の懸念
ハクリサイドでは、爆音を聞いた漆羽が座村への対策だろうと考えを巡らせていました。
反響定位も鈍るほどの喧騒では、座村は音と匂いの機微と敵意・殺気を総合的に汲み取って索敵を行うと漆羽は説明します。
そんな状況下での加勢は逆効果であり、馴染みの匂いは硝煙に惑わされ、戦えば音も殺気も出るため、敵に紛れて下手すると座村に斬られてしまうと漆羽は警告しました。
そこへサングラス隊長たちが到着し、サングラス隊長は「口チャックな、斬られちまうぜ」と漆羽に忠告します。
巻墨、隠密の技術を駆使した援護
巻墨が座村に助太刀することとなりました。
不浦は巻墨が特別な技能を持つと説明します。
巻墨は隠密集団であり、彼らが使うのは忍びの術です。
彼らは体から匂いを消し、戦闘時には音や殺気さえ完全に消し去ります。
戦場で、巻墨はまるで存在しないかのように行動し、座村の索敵を妨げずに敵の障害のみを排除していきます。
座村は敵が減っていく様子から巻墨の到着を察し、「来てくれたからには、死ぬわけにはいかねえな」と声をかけました。
唯一、座村と共に戦うことができる彼らは、神奈備御庭番・座村親衛隊「巻墨」です。
巻墨は座村と共に、敵を次々と打ち倒していきます。
窮地、そして共闘へ
ハクリと漆羽を避難誘導する不浦でしたが、妖術師に吹き飛ばされてしまいます。
脱出口に先回りされてしまったのです。
毘灼と激闘を繰り広げる座村と巻墨でしたが、敵の多さから次第に追い詰められていきます。
このまま全ての戦力を凌ぎ切れるかと考え始めた女性は、もうあれしかない、けれどそんな余裕すら、せめてもう一人戦える人がいればと考えていました。
ハクリと漆羽、戦場への帰還
そこにハクリと漆羽が駆け付けます。
松のおじさんは「いいね、いい感じの追い込み漁だな」と余裕の笑みを浮かべました。
漆羽も刀を抜いて戦闘に加わります。
その殺気を感じ取った座村が反応します。
漆羽は座村の技をこれまで幾度も目にしてきました。
座村の居合を見極め、敵だけを斬り捨てる漆羽。
漆羽の殺気を感じ取った座村もまた、敵のみを狙って斬り捨てます。
漆羽は座村の動きにぴたりと合わせ、共闘を開始しました。
「これならいける」と女性は心の中で確信しました。
女性の決意とハクリの覚悟
もし本当に毘灼が使い切りと言える戦力の全てをここに費やしているなら、この現状はむしろ好都合だと女性は考えます。
雫天石の武器を消費させて契約者を守り切れば、この争いに大きな区切りがつきます。
ハクリの回復にも十分な時間を費やすことが可能になるのです。
そのためなら犠牲にでもなるのが自分の仕事だと女性は覚悟を決めました。
巻墨の覚悟を俺だけじゃないかと思うハクリ。
ハクリは妖術を発動させます。
「命まだ俺だけが賭けてないと」覚悟を決めたハクリでした。
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